サイディングとは樹脂系サイディング、木材系サイディング、窯業系サイディング、金属系サイディングの4種類があります。
サイディングといえば近年、窯業サイディング、金属サイディングの2種類が主流となっています。
新築時にサイディングを使用した住宅は、10年~15年経過後には外壁塗装を推奨されています。
この記事では、なぜ外壁塗装をしないといけないのか、どういった塗料を使用するのか、どういった塗装方法があるのかを解説していきたいと思います。
▽目次▽
- なぜ塗装が必要なのか?
- サイディングはシーリングも貼る前の工程も大事
- それぞれのサイディングの下塗り塗料
- 窯業サイディングに単色塗装はお勧めしない
- サイディングの外壁塗装のまとめ
サイディングは、なぜ塗装が必要なのか?
サイディングは工場から出荷されるまでに塗膜を形成されてから現場に運ばれます。
この塗膜自体に塗装が必要なことが関係しています。
紫外線によって発生するラジカルという物質が表面塗膜を劣化させチョーキング現象を起こします。
チョーキング現象とは、壁を手で触ったときに粉のようなものが付く現象です。
また、サイディングは水分や湿気などの吸水で伸び、乾燥すると縮むという湿乾伸縮という性質があり、これが年々伸びる割合が少なくなり逆に縮む割合が多くなります。
これにより、伸びた時に塗膜に微細ながらひびを起こし、縮んだ時にシーリング材の界面破壊や凝集破壊(サイディングからシーリングが離れていたり、シーリングの亀裂)が起こり雨水をサイディング内部へと侵入させてしまいます。
大体の住宅は10年~15年ほどでこういう現象がみられます。
これが塗装を推奨される理由となります。
残念ながらサイディング塗膜のひび割れは、目には見えないことがあります。
どうしても気になる方は、お見積りの現地調査時に30倍スコープなどを用いて検査をしてもらいましょう。
サイディングはシーリングも貼る前の工程も大事
前述の通りサイディングは、シーリングが命といってもおかしくはありませんが、シーリング材が施工される前にも非常に重要な工程があります。
・透湿防水シート
・通気工法
・ボンドブレーカー
それが上記になります。1つずつ見ていきましょう。
2-1. 透湿防水シート
屋根や外壁の防水機能には、1次防水、2次防水というものがあります。
1次防水とは、サイディングやカラーベストなどの仕上げ材のことをいいます。
2次防水とは、透湿防水シート(外壁)やルーフィング(屋根)の仕上げ材の下に施工されるものがそれにあたります。
透湿防水シートは万が一、シーリング材の劣化でサイディングの中に雨水が侵入しても室内まで雨水を通さないような役割があります。
雨水から2重に守られているということは、お分かりいただけたと思います。
あまり聞きなれない透湿防水シートですが、非常に重要だというこはいうまでもありません。
2-2. 通気工法
通気工法とは、透湿防水シートの上に胴縁という木材をサイディングとの間に取付しサイディング内部に起こる湿気や結露などを屋外に排出することのできる空気の通り道を作る工法のことです。
これも非常に重要で透湿防水シートの上から直接、サイディングを施工すると冬場などの結露などにより、透湿防水シートやサイディングの内側は、常に水分を含んだ状態になります。
お風呂に入ると指がふやけるのと同じで、水分を常に含んだ状態では外壁材や透湿防水シートでさえ傷みやすくなります。
また、サイディング内部では、カビが繁殖し劣化を促進していきます。
こうならないためにもサイディング系の外壁材では、通気工法は絶対です。
2-3. ボンドブレーカー
前述までは、サイディングを張る前の大事な工程を説明していきました。
サイディングを張り付けてから目地シーリングの施工をする前に重要なものがボンドブレーカーです。
シーリングには2面接着と3面接着といわれるものがあります。
サイディング外壁では、必ず2面接着で施工します。下記画像をご覧ください。
この2面接着に必要なのがボンドブレーカーで、しっかりと施工されていないとサイディングの伸縮にシーリングが耐えれなくなり、早い段階で界面破壊を起こしてしまいます。
コンクリートなど外壁材の後付けがないものに関しては、3面接着で構いませんが前述でお伝えした通り、サイディングは伸び縮みしていますのでシーリングの追従性を発揮させるためにも2面接着が絶対です。
それぞれのサイディングの下塗り塗料
サイディングに塗装する必要性はお分かりいただけたと思います。
次にどういった塗料を使用しないといけないかを見ていきましょう。
最近使用頻度が多い窯業系サイディングと金属サイディングをそれぞれ分けてお話していきます。
3-1. 窯業系サイディング
窯業サイディングは、蓄熱性が高く夏場は特に、熱を吸収し表面の温度がかなり高温になります。
弾性塗料を使用してしまうと塗膜の膨れが起きてきたり、劣化を早めてしまう可能性が高くなります。
各塗料メーカーが推奨するサイディングに合った下塗り材を使用しないといけません。
代表的な塗料メーカーの一般的に推奨される下塗り材が下記になります。
※劣化の少ない窯業サイディング
※劣化の著しい窯業サイディング
下塗り材でも数十種類とある中で、塗料の選定を間違えると膨れや剥がれが起こったりしますので、見積もり時に塗料の説明をしっかりと聞き、注意しておきましょう。
必ずしも悪いとは言えませんが窯業サイディングに微弾性フィラーなどの下塗り材はお勧めしません。
日本の住宅では、現在は通気工法が主流ですが、狭小地などでは直貼り工法のサイディングも多い為、雨水は通さず、湿気を逃す透湿性の良い塗料を使用しないと湿気からできる水分が塗膜を突き破ろうとし、膨れなどが起こります。
現地調査の時に、通気工法か、直貼り工法かチェックしてもらいましょう。
3-1. 金属系サイディング
窯業サイディングには水性の下塗り塗料を推奨していますが、金属サイディングは溶剤系の下塗り材を使用します。
生鉄は水に弱く、錆を発生させることは皆さんもご存知かと思います。
1液錆止め塗料を下塗り材として使用することも問題はありません。
しかし、1液錆止め塗料よりも耐久性の高い下塗り材を使用することにより、上塗り塗料の耐久性もアップします。
下記は金属サイディング用の大手塗料メーカーの商品です。
このように、窯業系サイディングと金属系サイディングでは、使用する下塗り材が全く違います。
下塗り塗料の選定を間違えると、錆の発生をさせたり、塗膜の中に水が溜まり膨れを起こします。
金属系サイディングの場合は吹付塗装の方がムラがなく塗装できますので、お勧めします。
やはり、知識や技術のある業者に依頼することは必要不可欠と言えます。
窯業系サイディングに単色塗装はお勧めしない
窯業サイディングは、多彩な柄が多くデザイン性に優れています。
塗替え時に単色塗装にすると、上記画像のようにもとの柄は消えてしまいます。
下記画像は塗替え前の窯業サイディングです。
レンガ調を残して塗装工事をする際、クリアー塗装をするか、デザイン塗装をするか2択になります。
クリアー塗装を選択するのもいい案ですが、どうせ綺麗にするならデザイン塗装を選びたいはず!
デザイン塗装とはどういった塗装なのか気になりますよね?
色彩ペイントホームで施工しました、一部のデザイン塗装をご覧ください。
1例目
2例目
このように柄を作って、塗装をすることで以前より華やかな外壁窯業サイディングに生まれ変わります!
しかも、色は自由自在に変更も可能です。
この記事で興味を持っていただけましたら、塗装工事のお見積り依頼せれた時は、一度業者に聞いてみてください。
サイディングの外壁塗装のまとめ
サイディングになぜ外壁塗装が必要なのか、塗装する際の塗料選定の大事さを解説していきました。
新築時から10年~15年で外壁塗装をしないといけないことはお分かりいただけたと思います。
外壁塗装を放置すると、サイディングの傷みが増しサイディングの張替え工事をしないとダメというケースも少なくありません
色彩ペイントホームでは塗装工事着工後、実際に外壁の数か所に数種類の試験施工をしてお客様と一緒に悩みながら決めさせていただいてます。
一生に一度買うかどうかのお客様の大事なお家に、安いから楽だからという理由で適当なご提案は、一切行いません。
サイディングの外壁塗装をご希望の方は是非お問い合わせください。